第95回最高の居場所ライブ
「心の目覚し時計をスイッチオン!五感を開発しよう。立体的に聴いてみよう。プレイバックシアター体験」
ゲスト講師:宗像佳代さん
役者のみなさん:エリーさん、ともさん、なおさん、くぼさん
日時:2017年1月22日(日) 13:00-17:00 (受付開始 12:45)
会場:目黒区男女平等・共同参画センター(中目黒スクエア内8階)
参加人数:15名
運営事務局:しょご、SOL、みこ
【オープニング】
運営事務局のしょご、みこから居場所のビジョンを紹介。
NPO法人はたらく場研究所ー最高の居場所代表理事のとうりょうから挨拶
ゲスト講師の宗像佳代さんをご紹介いただき、スタート
【ワークショップ】
■アイスブレイク
1、自己紹介
全員が名前のあいうえお順に、席替え後、自己紹介。
今日のワークショップについて、期待していることなど1人1人発言し、チェックイン。
場は期待感に包まれました。
2、パワーのリレー
全員起立。
まず、佳代さんが、「ハッ」という声を放ち、両手からパワーを放出。華奢な外見から想像できない、すごいパワーにみんなびっくり。
私たちも佳代さんからパワーをいただき、「ハッ」と声をあげながら、順番に、隣の人にパワーのリレーしていきました。最初はゆっくりからスタート。最後は猛スピード、かつ、思いついた人がその場で逆回転に!
ついていくため、みなさん、真剣。命がけ?(笑)
場は一体感とスリル感に包まれ、大盛り上がり。何度も何度も、拍手が沸き起こりました。
3、知らない者同士、何を知り合っていたら安心?
佳代さんが参加者の私たちの親近感を、少しずつ深めていってくれる工夫をしてくれました。
「恥ずかしい」「ついていけない」という参加者から出た言葉を反映した実習。
「ノリノリ!」という気分の人は、その気持ちが強い人が一番右側から、「ついていけないかも…」という人は、反対側の端から順に並び替えをしました。
それぞれの主観で順番を決めるので、みなさんの中に色々な思いが沸き起こり、順番争いをする場面も!
講師の佳代さんの言葉。
「ご自分がどう思っているかが柱。人からはこのように思われているかもしれないけれど、
自分がどう思っているかを大切にしてほしい」
自己表現するにあたって、自分の気持ちを自分で把握することが、何より大切なのですね。
次に、「即興劇で自分を表現することを楽しめる人(スポットライト当てて!)」は同じく一番右端から、「少し重荷だなあ」「チャレンジだなあ感じる人」は反対側から順番に並び替えをしました。
静かに移動する方、わいわいと楽しく移動する方。それぞれの思いが交差した時間でした。
並び終わってそわそわしている参加者たちに、佳代さんは、「今いる場所の居心地はいかがですか?」と質問して、参加者からの発言を待ちました。何人かの発言が出た後、偏りが出ないように「このあたりの方は、いかがですか?」。さらに「一番端に並んだ方のお気持ちはどうですか?」と丁寧にサポートしてくださいました。
ごく自然に参加者を思いやる姿勢にただただ感動するばかり。
佳代さんのメッセージ。
「管理する側の方は、弱者の声を聴きたがらない人が多い。
世の中を居心地よくするためには、心細い人たち、発言できない人たちの、
弱い声が聴こえた時に、グループは変わると思っています」
声の大きな人も、小さな人も、全員が大切にされたことで、「当事者」になれました。
4、倒れそうな人を助けよう!
全員に1~3の番号が割り当てられ、「1番」「3番」などの号令がかかると、呼ばれた番号の人はその場にふらふら~としゃがみこむゲームをしました。
完全にしゃがみこむ前に、周囲の人が倒れそうな人を助ける救出ゲームです。
最初は、誰にも助けてもらえない人が続出。
そこで、みなで、どうしたらいいかを考えました。
倒れる人も、助けてもらいやすくする工夫が必要です。
「声を出す」「ゆっくり倒れる」「アピールする」など、意見が飛び交いました。
助ける側も隣にいる人だけでなく、広い視野で、部屋の中を見渡すよう意識を広く持ってみることになりました。
結果、全員が助けられ、助けることができるようになりました。
このワークはとても深い意味があります。
誰もが自分1人では生きられません。
人を助けるのも、助けられるのも、コツが必要です。
自分のためだけでなく、人のことも考えて生きる。そのためにどうしたらいいのか?
楽しいゲームの中にも、重要なヒントが潜んでいたのでした。
5、なりきりワーク
2人ずつペアになり、色々な「人」「もの」果ては「町」になり切り、インプロをしました。
なったものは、不良と警官、反抗期の子供とその親、モデルとカメラマン、
こどもとおもちゃ、ホームレス同士、言葉が分からない外国人観光客と観光地。など
人間だけでなく、物や街にまでなりきる、斬新なワークに場は沸き立ちます。
ペアは随時交代し、新しい人とご挨拶しながら、多くの方と知り合う時間になりました。
ますます、場は笑いと、温かさに包まれていきました。
(休憩)
6、即興劇
4つのチームに分かれて、だれもが知っている「昔話」をテーマに即興劇をすることになりました。持ち時間は1分。話し合いの時間はたったの7分です。
その場で出会ったばかりの即席チームで7分間をフルに使い、まず、なんの昔話をするかをチーム内で話し合い決定。即興劇のシナリオを作り上げて発表です。
まさに一発勝負。見切り発車の即興劇にもかかわらず、そのクオリティの高さに、会場はどよめきと笑いと、そして、満足感に包まれたのでした。
即興劇の内容
チーム1 浦島太郎
チーム2 かぐや姫
チーム3 水戸黄門
チーム4 サルカニ合戦
1分間しかない持ち時間で、起承転結を入れる寸劇の発表タイム。
「あと20秒ですよ」のお知らせのチャイムが鳴ってから、演ずるチーム全員のエネルギーが変化しました。チームが一体となり、結末へと向かっていく姿からは、渾身の迫力と、何が何でもやりきる!という覚悟が見えました。
今思い出しても、知り合ったばかりの人たちの即席チームで1分間とはいえ、きちんとした物語性を持つ昔話を組み立てて、演ずる。
すごいことです。
奇跡をみんなで体験したのですね。
7、プレイバックシアター
いよいよ、今日のワークショップの一番の山場。プレイバックシアターです。
まず、導入として、3人組で、自分のストーリーを思い出す実習をしました。
「過去にこんなに素晴らしい働く最高の居場所があった」
「これって素晴らしいなと思ったのはいつだったのか」
「最悪。もう、ここ、いや。と思わせたのはどんな場で、何があったのか」
参加者の本当にあったお話をお預かりして、即興でその場面を再現するプレイバックシアター。今回は3人のテラー(話し手)の方の大切な思い出を再現しました。
(役割)
コンダクター:オーケストラの指揮者のようなもの。インタビュアー。(佳代さん)
テラー:大切な思い出を話してくれる人
役者:テラーの語る思い出を演ずる人
佳代さんはスタートする前にこのようにおっしゃいました。
「みなさんは、泳いだこともないのに、水に飛び込んでいる状態。
溺れないようにするのは、私の責任。
困ったことがあったり、どうにもならないことになったら、
救助隊として助けなければいけないのは私の責任
もし、うまくいかないことがあったら、私が悪いと思って下さい」
「場に起こる想定外の出来事を、すべて引き受けますから、皆さんは安心して自分を表現してください」という佳代さんの思いが参加者全員の心に届きました。
参加者は佳代さんの大きな翼に守られて、安心して羽ばたくことができたのです。
演ずる人たちは、テラーの方が話してくださった大切な思い出や、そこにこめられた思いを
与える気持ち一心で、精一杯演じてくれました。
テラーの方、観客の方の目に涙が…。
演じる人も、見守る観客も、話し手の方も、全員が一体となり、シーンと静まり、その場を共有したのでした。
そして、最後の3回目のセッションを演じてくれたプロの俳優さんたちの演技は、鳥肌ものの圧巻!
皆、息をのみ、ただただ圧倒され、感動し、別の空間に心を持っていかれたように、いっとき遠い世界に旅をしました。
夕焼けが差し込む部屋の美しさは、まさに今、この瞬間が作る奇跡そのものでした。
8、シェアタイム
小さなグループに分かれて、今日のワークショップについての感想を話し合う時間が設けられました。
これは、別世界に浸った心を、現実に戻すための大切なワークです。
何かに心を動かされたとき、そのまま行動すると、怪我などする可能性もあります。
参加者は思いを言語化する過程で、徐々に現実に戻っていきました。
旅から現実の世界に戻り、地に足を付けて歩く時間が戻ってきたのです。
【クロージング】
全員が大きな輪になり、チェックアウト。今の気持ちを1人ひと言ずつ、順番に声に出しました。一人ひとりが発する声は鈴のように響き、窓から見える夕焼けがみなさんの横顔をキラキラと美しく輝かせていました。
この日この場の出来事は一期一会ですが、プレイバックシアターを全員で作り上げた思いは永遠です。
ご参加くださった皆さん。
指揮者である、宗像佳代さん、アクターのエリーさん、ともさん、なおさん、くぼさん
素晴らしい時間を共有していただき、心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。
~~★みなさんのアンケートから一部抜粋★~~(順不同)
・佳代さんの在り方がすばらしかった。次回は終日での続編を期待しています(マッキーさん)
・胸が熱くなり泣きたくなりました。佳代さんにまたお会いしたいです。(ここあさん)
・いままでこんな体験したことがないくらい、みるみる巻き込んでいただきました。
宗像さんが参加者の側に立ち、少しずつ少しずつ巻き込んでいくことに感動しました。
それはスキルではなく、宗像さんのあり方がそうしているのだと思わされました。(Hさん)
・人のストーリーを見ることによって、自分がどれだけ感情を味わってきていなかったか、気付くことが出来た。
とても心がふるえました。(Kさん)
・佳代さんの場のあり方が素晴らしかったです。温かさと安心があり、自由に素直に自分を表現できました。(てるさん)
・まずやってみる勇気という大切なことを教えて頂きました。(さっちるんさん)
・佳代さんの細やかな起点の利いたファシリテーションが印象的でした。
失敗したような気持ちを居合わせた人誰にも、味合わせない心配りが素晴らしかったです。
初めてお会いする参加者がいらっしゃいましたが、会場内に温かい雰囲気が満ちていました。(えりさん)
・感情の変化した場面を大切にしたい(ぜにやんさん)
・佳代さんの、すみっこにいる人、ドキドキしている人、居心地が悪そうな人への配慮や、自信がない人が表現できる心配りが素晴らしかった。(るみさん)
・佳代さんの在り方が心に響きました。とても丁寧なファシリテートだと感じました。参加者を尊重していることが伝わりました。(くみさん)
以上、2017年1月ライブ事務局はしょご@木越省吾、SOL@立岡里司、みこ@金子美子でした。