第88回ライブ(5/15)
「引き算の”しあわせ”」
ゲスト:志村季世恵さん


第88回 最高の居場所ライブ
実施日時:平成28年5月15日(日)13:00〜17:00(その後懇親会)
場  所:緑が丘文化会館(別館)
参加者:48人(内初参加12人)
運営事務局:SOL、うめ、くみ+、ゆりお

【イントロ】 とうりょう、SOL、ゆりお ※事前配布物4点確認
* 事務局紹介
* 最高の居場所について
* グランドルールについて
* 講師紹介
* 本日の内容の説明

【ワークショップ】

《参加者全員で輪になる》
・ ウェルカムの気持ちで仲間を迎える
・ 両隣の参加者と見つめ合い、挨拶
・ 両隣の参加者と手を握り合う
・ 円で一周片手をギュッと握るリレー→緊張感のある時は一周終えるまでに時間がかかる
・ 参加者全員で自己紹介「よろしくね」の気持ちを込めて
・ 季世恵さん自己紹介 →高校生の頃からターミナルケア
 ☆元気な時には気づかない、相手を思いやる気持ちを元気である今大切にしよう
・ 普段の私の中での幸せについて考えよう→ 付箋配布、グループ分け
 ※輪になっている状態で付箋を各個人に配布する
・ 春夏秋冬、いつが一番好きですか?
→好きな季節別に4カ所(4グループ)に分かれていく

《春夏秋冬グループに分かれる》
・ 幸せを感じるときってどんなとき? → 各グループ見つけに行く(結論的には全グループ外へ)
グループごとに移動する…14時20分くらいまで(20分程度)

《参加者が部屋に戻る》
・「好きな季節は?」と聞くと意外と均等に分かれバランスが取れている。
・ ところが、生まれた季節によって性格タイプを分けると仮定する(実際がそうだということではなく)とまた違ってきたりする。子育て中のお母さんに質問したりすると・・・例えば、春生まれは → 温和で柔らかい、夏生まれ→ ハキハキして行動的、秋生まれ →思慮深い、冬生まれ→ じっくり丁寧、このように四季を例えにして お母さんに自分の子供で好ましいタイプを尋ねると「夏」と答えることが多い。
・ 人のタイプもどこかの季節に偏るのではなく様々なタイプがありそして共存できることが幸せのあり方のひとつ
IMG_5946
《4重円を黒板に描いておく》
・ 自分にとって一番幸せな瞬間は?→(デモ)うめちゃん
 ※幸せな瞬間のみではなく、もし幸せを感じる条件が揃っていなかったときの状況についても考える
・ 円の外側から中央に向かってコアな幸せとなっていく
四重円
《模造紙の配布》5人グループ×10 各グループ1枚ずつ
・ 各グループ模造紙に4重円を描き、付箋を貼っていく(30分程度)
・ 作品完成後、他のチームの作品を各自見学に行く。チームの中で1名だけその場に残り、作品の意図を見学者に伝える(ワールドカフェのような)(10分程度)
・ グループに残っていた人は見学

《休憩10分》 15時20分まで
IMG_5948
・ 各チームの個性が表れていて面白い。同じ場に集まっていても各チームの違いがある
・ (黒板の円を消す)普段接している人は目の見えない人や末期のガンの人など究極の引き算の人が多い。
・ 仕事をしているときとプライベートな時間が解離しすぎていると、メンタル面で影響が出る場合がある。
・ 幸せは本来、快苦では表せない。(植物の双葉を黒板に描く)皆さんが書いた双葉は「快」の双葉である。左が快、右が苦である。快ばかり求めていくと快の方向にどんどん伸びていく(修行好きは苦の方向に)
双葉
・ 人は成長欲求が強い。
・ 皆さんは心地よさの方向に振れた(快)幸せが多かった。
・ ただ、それができなくなったらどうなのか。例)おいしいゴハンを食べられると書いた人 →おいしいゴハンが食べられなくなったら
・ どんな姿が幸せなのかを具体的に述べる
・ 快い状態でないときもたくさんある。それはなぜなのかを具体的に述べる
・ ご馳走を食べるって幸せなことだけれど、そう、皆さんが人生を終える時、最後に食べたいものは何?→皆で考えてみる。おにぎり。おかゆ。等声があがる。余談だけれど、何ももう食べものを受け付けられなくなった時にハマグリの潮汁なら口にできる人が多い。これを見ていると、人は海から生まれてと感じることがある。体液に近いからなのか・・・。口に含んだ後に心から 幸せそうに「おいしい」と言う。そしてその姿を見ると家族も幸せな表情になる
IMG_5949
・ 各自椅子に座り、目を瞑って、一番心地よい格好になる(椅子から降りても可)。
・ その体勢で深呼吸を丁寧に、自分自身に呼吸のプレゼントをするつもりで4〜5回
 → 息を吸うときに好ましい空気がどこから来るのかを想像しながら行う。(植物の光合成による酸素生成、海から由来するものなど。人間が吐きだす二酸化炭素が自然界でつながり、循環し、与えられる)自然界とのつながりを感じて、呼吸できる幸せを感じながら。
・ 各自伸びをする
・ 自分の脈をとる(筆記用具は不要かつ膝の辺りに違和感を感じる場合があるので足元に置いて)。
・ 脈の音は私たちが生まれて初めて聴いた音楽である。私たちは胎内で母親の鼓動を聴いてこの世に生まれてきた。懐かしいリズムを感じて、今まで忘れていたことを謝りながら感じる。
・ 各自伸びをする(リラックス)
・ 今の自分から少し成長した自分を想像する。自分がおじいちゃん、おばあちゃんになったときのことを想像する。そして、人生最後の鼓動の音を考える。
・ 心が満たされている、自分の最期を迎える頃は何歳ごろなのか。
・ 最後に横たわっていて空の世界に帰る時間となったとき。自分の知らない子供たちが自分に質問をす
る。「私が幸せになるに大切なことを教えてください。」
・ 尋ねてきた子供にプレゼントするつもりで答えを伝えるとしたら?想像する。
・ 子供は「ありがとう」と言って去る。そしてそのときの自分は自分の世界に戻っていく。

《色違いの付箋を配布》
・ このセッションの最中に眠ってしまった人は、無理に書かなくてOK.自分に正直であることが幸せである。無理に辻褄を合わせることって幸せではないでしょ?
・ どんなことがあなたの幸せをつくるのか。想像の中で子供に伝えたことを配布した付箋に書く。
・ 各自書いた内容をチーム内でシェアする。(10分)
・ 呼吸している、生きているという当たり前のことができていることに感謝する機会というものは普段ないと思う。
・ 子供に伝えたことは自分自身にかけてあげたい言葉であることが多い。本当に最期だったら何て言うのか?最期は「ありがとう」が多い。
・ 命が終わろうとしている人と向き合う仕事をしていて平常心が維持できるのは、向き合っている相手が生きるうえで何が一番大切なのかということを教えてくれているから。
 → 向き合っている人が食べ物を枕元からプレゼントしてくれる、病院の食事など季世恵さんが食べられるものを与えてくれる。意識が薄くなってきている状況であっても自分ができる範囲でそのような行動を取る。意識が失った自分の状態を想定し、そうであっても与えることができるにはどうしたら良いのかを考えて、そのときの最善策をもって与えてくれる。最善を尽くして与えられたことで自分の想いが相手に伝わって、幸せを感じてもらえたことが幸せである。何もできなくても幸せはたくさん作ることができる。最期の幸せは必ずしもお金など物質的なものからもたらさられるものではない。今その瞬間を生きる自分自身ができることをしたことによってそれが相手に受け入れられ、相手が笑顔になったときに 自分自身も幸せを実感できる。
・ 幸せの在り方(価値観)は人それぞれ。多様性の世界にある。
・ 自分の体が思うようにならなくなり、生活に支障が発生する病気になり、物を呑み込むといった健常者であれば当たり前のこともできなくなる。そんな病気になったとしても「何だったらできるのか」を考えてみてほしい。

《ワーク》(5分程度)
意識はあっても何もできない状態にある自分を想像する。そのとき自分はどうするか、何だったらできるのかを考えてグループ内でシェアする
・ 今日のワークショップは正解も不正解もない。今日が結論ではないのでこれから折に触れて思い出してほしい。
IMG_5950
《グループの内容を会場全体にシェアする》
・ 感謝の気持ちを持つ
・ 自分がそこに存在していることが周囲の喜び
・ 相手の幸せを一心に祈ることで通じるものがあるのでは
・ (自分の中の気づき)自分の関係者以外の周囲の人すべて大好きになる。しかし、なぜ終末期にならないとそのようになれないのか
・ 祈る。主のフレーズ。
・ 笑い続けること。
・ 話を聴き続けること
・ 相手のことを大切に思っているということは雰囲気などから必ず外に顕れていると思う。
・ 諦めないこと
・ その相手、そして世の中の幸せを祈る
・ 「幸せとは何か」問い続ける
・ 笑顔であること。
・ 最期の瞬間まで対話をする
・ 自分の意思で死にたい。最期は自由でありたい。
・ 普段から自分で想定している。世の中のこと、看護師さん、家族の幸せを祈る。言葉にできなくてもできる。本来は動けるうちから感謝を伝えなくてはいけない。
・ 感謝を念じ続ける
・ 話せるうちは「今日が最期かもしれない」と思いながら周囲に最大限の感謝を見せる。
・ 目で伝える。生き様を見せる。
☆なぜ生きているうちにできないのか。元気なうちにできたほうがよい。
☆今の気づきは何にどうしたら反映できるのかを考える

《大きな付箋を1人1枚配布する》
・ 宣言して実行したい人のみ挙手のうえ宣言する
・ 「朝は誰にでも挨拶する」(季世恵さん)
→朝だけは挨拶を返してもらえる(日中以降はポジティブに受け止めにくい)。電車で友達ができた。朝の挨拶は相手にとっても気持ちよかったはず。相手に与えるつもりで
・ 2年前に再婚した。相手は最期の日になるかもしれない、急病でストレッチャーに乗せられた日に決めた。
・ 夫を1回看取っているので現夫に何回プロポーズされても受けなかった。
・ コピー両面2枚にダイアログインザダークへの想いや継続運営について書いてあった。そこに季世恵さんに対する愛の言葉はなかった。ダイアログインザダークへの信念を感じた。命の中心となる願いだったと思う。「季世恵ちゃん、寝てね。」と書いてあった。
・ 夫がストレッチャーに運ばれ、帰ってくる保証はなかった。もし帰ってきて記憶が戻ってきたら結婚しよう。
・ 命が長くても短くても大切なことは一つ。
・ 大切なことは意外と中心にひとつかふたつしかない。これから勇気を持って、最期の付箋を捨てずに(忘れずに)いる、自分を素敵だと思い、素敵な自分を承認し、拍手で終える。
13239476_755908704545786_1485987837827609750_n
=====参加者のみなさまの感想(アンケートより抜粋)=====
・今このときにできることをやることの大切さ。幸せの本質は身近なところにあること。季世恵さんの存在感だけで、心が震えました。(Wakaさん)
・今日、この瞬間、今を大切に生きる。感謝の気持ちと出会いに「ありがとう」の気持ちを持って生きる。(けいこさん)
・心地よい声のナビゲートがとても効果的でした。自然の中で受けてみたいです。(YMさん)
・父がもうすぐ命の灯を閉じようとしています。今日のすべてが、私にとって大切なことで、心に届きました。季世恵さんのおっしゃったバースセラピストの「バース」を今、まさに味わっています。(HMさん)
・自分の心が喜んでいた時間でした。(カワちゃん)
・「遅れてきた人に“ここにどうぞ”と言ってあげてね」「正直でいいんだよ、取り繕わなくていいんだよ」意表を突かれましたが、温かくていいなと思いました。(EKさん)
・正直申し上げると、このワークショップに参加するのが少し怖かったです。(辛いことを乗り越えないと得られないものだと思っていたから) 今、バトンを受け取ったような感じになっています。早速実践します。ありがとうございました。(かんな)

他にも多くの方にメッセージをいただきました。ほとんどの人が、今日のワークショップの最後に“やると決めたこと”を実践しますと書かれているのが印象的でした。

====ゲストプロフィール====
志村季世恵さん
バースセラピスト/一般社団法人 ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ代表理事/こども環境会議 代表 ダイアログ・イン・ザ・ダーク 理事/バースセラピストとして、人の誕生から臨終までを含めた延べ4 万人を超えるカウンセリングを行う。 妊婦や子育てに悩む母、心にトラブルを抱える人をメインにカウンセリング。その活動を通し『こども環境会議』を設立。1999年からはダイアログ・イン・ザ・ダーク理事となり、多様性への理解と世の中に対話の必要性を伝えている。また末期がんを患う方へのターミナルケアは独自の手法を以て本人や家族と関わり、その方法は多くの医療者から注目を浴びている。ワークショップ、ファシリテーションの日本での第一人者であると共に人を幸せにする商品企画開発を通販会社とタイアップし展開。ロングラン商品開発に定評がある。講演、ワークショップなど多数。4児の母。/主な著書:「さよならの先」、「いのちのバトン」他多数
IMG_5942_2
以上、5月ライブ担当は、うめ(梅沢由美)、くみ(水野公美)、ゆりお(木村裕理)、Sol(立岡里司)の4名でした。