第86回ライブ(3/13)
「小さい会社ではいま何が起こっているのか?!」“そこそこいい会社”が“とびっきりいい会社”になるためのくわちゃん流「場づくり」「チームづくり」コミュニケーション講座
プレゼンター:桑原和弘さん


第86回 はたらく場研究所ー最高の居場所ライブ 
「小さい会社ではいま何が起こっているのか?!」
 “そこそこいい会社”が“とびっきりいい会社”になるための
 くわちゃん流 「場づくり」「チームづくり」コミュニケーション講座
ゲスト:株式会社フリスコ代表/特定社会保険労務士/研修講師 桑原和弘さん

期日:2016年3月13日(日)13:00〜17:00
場所:シャローム南風 地域交流センター 
参加者:19名(うち初参加1名)

最高の居場所メンバーで、ファシリ塾1〜3期生、入塾当時から異彩を放っていた伝説のファシリテーター、くわちゃんがいよいよ登場です。弥生三月、ますます草木が芽吹きだすこの季節にふさわしいライブとなり、気づきや学び、次へつながる実践のヒントをお持ち帰りいただきました。ご参加いただいた皆様、見守ってくださった皆様、ありがとうございました。下記にライブの模様をご報告させていただきます。

(1)チェックイン
「チェックインの文化を会社に広めたい!」というくわちゃんからの問いかけです。
  
 問A あなたが知っている人 何人くらい いますか 
 問B あなたを知っている人 何人くらい いますか

・一人ずつあてずっぽうでいいので言葉にしてみる。
・私は知っているけど私は知られていないというパターンが一般的に思えるが、実際はそれぞれ定義のとらえかたによって答えはさまざま。(0人から何千人まで)
・考えたこともないことを考えてみる時間をつくってみる。
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(2)カードゲーム
3つのチームに分かれて、カードゲーム「スクランブルワーズ」スタート。
 
36枚のカードを使い、チームで意味のある単語を作っていきます。しかも正解はひとつだけ。制約のある条件で、チームで協力しながら、その答えを導きだします。脳から汗をかきつつ、3チーム共に個性を発揮し、見事クリア。ゲームのあと、ふりかえりシート。ゲームで上手く行ったこと、上手く行かなかったこと、仕事や私生活で思いあたることを書いて、チームでシェアしました。
 
・自分がいるチームのカルチャーがわかる。
・ゲームの中で起こることは自分の日頃の「はたらき方」、仕事の進め方と似ていることを体感。
・制約条件が先に伝わりやすく、できることに意識がいかないことが多い。できないことにフォーカスするとできることを忘れてしまう。
・会社の業務内容や風土、個人によっても、取り組み方に特徴がでる。「結果さえよければよい」とルールを守らずにやってしまったり、「自由で楽しければよい」と結果をださずに遊んでしまったり、「出来る人がやろう」と出来る人のところに役割が集中してしまったり、人に丸投げしてしまう(役職のある偉い人に多いとか)etc
・わからないままめざすところもわからずがんばるとどうなるかを体験。「やってるうちにわかる」はNG。困ってることを聞けないと仕事が停滞してしまう。

くわちゃんの研修でのべ一万人が体験したというこのゲーム。楽しいだけでなくあとからじわじわきいてくる深い気づきがあり、感想シェアタイム含めて盛り上がりました。
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(3)くわちゃんが語るライフストーリー
くわちゃんがなんで今やっていることに出会ったのか、これまでのご自身のストーリーを語っていただきました。

広島県生まれ、ビートルズに影響をうけて少年時代はギターに熱中。ミュージシャンを目指し上京、10年目にメジャーデビューを果たすも、その後、売れない時代が続きます。渋谷のスクランブル交差点で大勢の人の中にいたとき、ふと、ここにいる人はみんな行くところがあって荷物をもっているけど、「自分は行く先もなくて何も持ってない」と感じたときのお話がとても心に沁みました。

何か他のことも身につけてみようと勉強してなんと行政書士の資格をとる。その後、社労士の資格もとってしまう。運が良かったとご本人は言われていましたが、音楽に懸けていた情熱が他の道にも活かされたのではと思いました。そして、久しぶりに出かけたミュージシャン時代の仲間が集まったお花見の席で、思わぬ出会いがあり本格的にこの道へ。いまもそのときのご縁がつながっているそうです。

いわゆる「社労士」本来の仕事というよりも、「何ではたらいているか」「どこにいこうとしているか」を考えるのが好きで、特に小さい会社にはたらく人に「あんたがやっていることは素晴らしいよ!」と伝えたいという気持ちでいる。音楽もメッセージだから形をかえて今もそれを真剣に届け続けるくわちゃんは、やはり永遠のミュージシャンです。

大切なのは「聴きあう」(話しあうではなく)。組織やチームが変わっていき 成果を出すのは時間がかかること。ただし「聴きあう」とすぐに変わる部分もある。そこが満足度につながり、リピートにつながることが多い。くわちゃんの仕事は「認めること」。小さな会社へ行って、自己認識の低い人をいっぱい認めたい。

自分と権限を持っている人(私とあなた)との関係ではなく「私たち」という関係にどうしたらなれるかをいつも考えている。安全な場をつくって不満や不安を出していったら血液が通い始める、そうやっているうちに一人一人が人生このままでいいか、自分にできることはないかと考え始める。その瞬間に立ち会えることがどんだけ嬉しいか、だから、全体の動きを信じてどんと待つ、そんなくわちゃんの在り方もにも圧倒されました。

ご自身は仕事で組織に所属したことが一度もないということでしたが、自由でありながら人や場への細やかな意識があふれている。できてないことはできてないと認めつつ「むずかしい」と手放してしまわない。なんとも変幻自在でユニークな存在。人の痛みがわかる人は自分の経験をバネにするというより、その経験を提供出来る強さがある。くわちゃんのライフストーリーがいまのくわちゃんの原点となっていることをじっくりお聞きできました。
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【くわちゃんへ質問】
Q:研修の仕事を受けるまでのきっかけはなんでしたか?
A:たまたま研修をやってほしいと思っている人と出会っている。営業なし、100%紹介です。自分が場を持ちたいと思うと抵抗されるから、拡散するのではなく、少ないご縁に深く入るのがよいつながりになっているのかもしれない。
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(4)承認、ストローク発見
くわちゃんが大好きで大切にしているストロークフルな人生を、みなさまに体験していただきました。チームに分かれてワークシートに各自記入してシェア。

・言われるとうれしい言葉
・されるとうれしいこと(動作など)
・私のいいところ、私が得意なこと(自分で書く)
・私のいいところ、私が得意なこと(周囲にたずねる)

小さい会社では自分をほめることができない人が多い。くりかえしやってストロークを浸透させていく。もらうことは悪いことではない。自分がストローカー(ストロークを与える人)になると、まわりが反応してくる。与えることが出来る人はもらうことも出来る。他者からもらうだけではない。自分からもらう、自分にもらいにいくのも大切。人に必要とされたいために、結果でアピールしていると、外からの評価を求めて居心地のいい環境を消費する側にいることになる。haveではなくbeingを大事にするチームを目指し始めたとき、すでにそうなっているのだというお話も可能性発見思考のくわちゃんならでは。ストロークのお話をしているときのくわちゃん、まさにストロークフルライフ体現中でした。
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(5)チェックアウト
全員で一言づつ響いたことをシェア。
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=====参加者のみなさまの感想(アンケートより抜粋)=====
・人柄が感じられるすばらしいライブでした。経験、ノウハウ、もっと聞きたいと思います。楽しいライブをありがとうございました。(つっちーさん)
・ストロークを与える、中小企業の人には特に重要とのこと、私も心して取り組もうと思います。現場で何をやっているのか 教えていただいたので ありがたいです。(カワちゃん)
・研修は与えるものではなく、一体感を作り上げるところから始まる、とにかくユニークで面白かった。ユーモアがあり 内容もしっかしており 自己開示もあり Excellent。居場所のライブに関わらず 最近 参加した中で 一番面白かったし為になった(曽根さん)
・肯定感あふれるライブをありがとうございました。実例をあげながら解説していただき理解しやすかったです。話し合いだけでなく「聴き合う」ことが大切、制約を探すのではなくできることを探す、ステークホルダーと「私たち」の関係になることを目指す、桑ちゃんの人生のストーリが心に響きました(えりさん)
・頭も手もバランスよく使えた半日でした。メッセージがほどよく入っていく感じで 一緒に場をつくっているような気がしました。わたしは中小→大企業に転職して、実は中小企業もスゴくていけてるところがあると思いました。そのことには中にいる人は気づいてないので、私も自己肯定感が低い企業の人たちを元気にできたらいいなと思いました(やじーさん)
・くわちゃんの原点、ここまでの歩みをお聞きして私も勇気をもらいました。ファシリテーターとしての在り方もすばらしかったです。(自分もできてないところがあるなどの自己開示も含めて)小さな会社での取組みもとても共感しました。制約条件にとらわれず自分ができることから、まずは自分がストローカーになろうと思いました(マッキーさん)
・くわちゃんのワークショップは ユニークでストロークの嵐なのだとイメージできました。心に響いたことは「良貨は悪貨を引き上げる」「消費する人は評価し、文句を言う」「ストロークはとっても大切」(SOLさん)
・楽しく大切なことを学べました。ストローク受けてなかった人が教えてあげることで受け取れるようになる。それを広げたいというくわちゃんの思いが改めて伝わってきました。(まこどんさん)
・出来ないだろうと思った言葉のパズルが完成することに感動しました。みんな認められたいんだということをあらためて実感しました。「俺が行って認めてやるぜ」自分もそんな気持ちで仲間と働こうとおもいました。(はやさん)

====ゲストプロフィール====
桑原和弘(くわばらかずひろ)さん
株式会社フリスコ代表取締役/特定社会保険労務士/21世紀職業財団セクハラ・パワハラ防止コンサルタント/日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター。幅広い業種のクライアントに対して労働法務コンサルティングを提供。 労働法務の分野に留まらず、クライアント企業への組織開発コンサルティング、および人材育成トレーニングに携わっている。特に、研修においては受講者が習得する「スキル」や「スタンス」の一般的なモデル(あるべき姿)にこだわるのではなく、グループコーチングや心理学の手法を用いながら、 受講者一人ひとりが自分自身の「可能性」や「強み」を発揮しながら、成果を出せるための人材開発アプローチに高い評価を得ている。
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以上、3月ライブ担当は、うめ(梅沢由美)、しん(進藤明美)、kok(小久保和人)の3名でした。