テーマ 「祭りだ! わっしょい! ワークショップの秋祭り!」
開催日時 2015.10.17 10:00〜17:00
開催場所 八王子市 「高尾の森 わくわくビレッジ」
参加者 51名(内、11名の方が居場所ライブ/フォーラムに初参加)
ファシリテーター 全 12 名
今年度のフォーラムでは、「祭」を基本コンセプトとし、複数のワークショップを同時開催するという、従来にない新しい試みを行いました。残念ながら、とうりょうは都合により、ビデオメッセージでの参加となりましたが、元々、高校だった「高尾の森 わくわくビレッジ」にて、秋が深まりつつある中、51名の参加者の方々と12組、17名のファシリテーターの方々が熱いセッションを行いました。
《はじめに》
・とうりょうのビデオメッセージ「フォーラム開催にあたって」
・事務連絡など
《景気づけ》
コージ兄「1、2、3、ダー!!!」
《各ワークショップの概要》
(1)「人間らしく豊かに生きることのできる社会に向けて」SOLさん
テーマは、「地球上のすべての人が、環境的に持続可能で、社会的に公正で、精神的に充足した、生き方を実現するために、私たちは何をすればよいのか?」でした。チェンジ・ザ・ドリーム・シンポジウムの一環として、Pachamama Alliance制作のChange the Dreamのビデオコンテンツを使用しました。
ワークの流れは、
1.「自己紹介、なぜここにいるのか&高尾山クイズ」_アイスブレーク
2.「ビデオ<今どこにいるのか_社会的公正と精神的充足>観賞」_現実を再認識する→無力感・ザワザワ感
3.「子ども時代から現在に歩みながら感じるワークと2人組での対話」_無力感・ザワザワ感→現実を感じる
4.「しあわせのコップ(水の入ったコップの絵を描いてもらっての対話)」_欠乏感とはなにか?
5.「ビデオ<信念の力>観賞」_希望の芽生え
6.「高尾山の奇跡」_具現化された希望
7.チェックアウト
アイスブレークは自己紹介をかねた「高尾山クイズ」。最近よく高尾山に登る機会があるというSOLさんのオリジナルクイズでしたが、その甲斐もあり、一気に場が和んだように感じられました。実はそこには仕掛けがあって、クロージングの最後の高尾山クイズにつながっていく導入部分でもあったわけです。
今世界で起こっている環境問題、紛争・差別・貧困、心の病の蔓延を見て見ぬ振りもできなくはありませんが、多くの人は何とかしたいと思っています。しかし、何をどうやってよいのかという不安・とまどいにまず直面し、何かをやり始めても何も変わらないという無力感に陥ります。それで心を病んでしまうとすれば、事態はより深刻化していくことになります。
一人一人にできることは、小さくても大丈夫なんです。SOLさんは、しあわせのコップに託して、「あなた自身が満たされてはじめて、過剰な期待を持たず、希望を持ち、明るい未来を信じ、自ら行動できるのではないですか」というメッセージを伝えようとしていました。短い時間ですが、「自分にできることは何か?」「そのために何をしていくのか?」そして「自分は満たされているのか?」という問いを深く考える場となりました。
(2)「研修ファシリテーター解体新書」カワちゃん
参加人数が3名と少なかったのですが、逆に参加者の方とファシリテーターの 距離がほとんど″0″に近い、密なワークショップとなりました。 シャベリカを使ってアイスブレイク&自己紹介が終わると、カワちゃんから「ジブンガタリ研修」の説明がありました。
「ジブンガタリ研修」とは、カワちゃんの会社で行ったもので、前段階として参加者のワークスタイルのアセスメントと、会社人生のライフ曲線を作成して、お互い説明することで自己開示しやすい環境を作るというものです。その後、あるテーマについてお互いが「ジブンガタリ」をしてより深い相互理解の機会を作っていきました。
今回のワークショップは、解体新書というタイトルに相応しく、研修の作り方、ファシリテーターのあり方について深い質疑応答の時間になりました。60分間の質疑応答を行ったので参加者の人も大満足のワークショップになったようでした。
(3)「協力を築くための Yes and」Yes and Dive チーム
まずは自己紹介・今日のYESから始まったのですが、最初からポジティブな対話の雰囲気が醸成されていました。
次に、今日の目的である、YES ANDしにくい状況(人間関係、組織間)でYESを出すキーワード「手放す」を説明。YES ANDについてデモ(私立のミッションスクールに行かせたい母と共学の公立校に行きたい娘)で理解を深めたのち、ペアワークで立場の違う二人(人事制度改革にあたり、結果重視の立場と行動重視の立場)がトーキングスティック(トーキングリーフ)で対話しました。
そして、相手の意見を聞く力を高めた後で、ロールプレイでYESANDを実践するワークを行いました。これは、一人一人がYESを出しにくい状況をペアでシェアし役割を決めた後で、一旦高尾の自然に触れて、状況に対する思いを手放すというもので、15分後に教室に戻ってからロールプレイを行いました。
チェックアウト時には、参加者の方々から「第三の道が見えた」「対話のきっかけをつかんだ」「話せる環境を整えればいいんですね」とのコメントがありました。自分の思いを一旦手放すことで、不都合な状況での新たな対話の可能性を体感していただけたようでした。
(4)「大人のための絵本セラピー® 」もめちゃん&ぷりちゃん
子供のころ、初めて出会った絵本は何でしたか?絵本セラピストお二人の優しい柔らかい声で、ほんわり、
じんわり、読み聞かせてもらう体験は、なつかしくもあり新鮮でもあり。
声の音や、絵の色や、文字の形など観る人によって感じ方はそれぞれ。
そこにいるみんなの気持ちが自然にほどけていって、自由な対話がつながり、深まっていきました。
大人だって、不思議と当たり前に、いろんな想いが湧いてくる、湧いてくる。
子供の頃好きだったことを思い出して 何か初めてみたくなる。
絵本との出会いの記憶は 共に大切な誰かといた証、それが今と自分自身につながってる。
季節を感じる自然に恵まれた会場で、多才なぷりちゃん、癒しのもめちゃん、自然体のお二人と参加者が一緒に創り出す絵本ワールドを味わい参加者の方々の心もまんたん。溢れてきた何かが 又何かにつながる予感がするワークショップとなりました。
(5)「皆で握ろう!★おにぎりワークで世界平和」世界おにぎり協会
おにぎりワークとは、参加者同士で、楽しみながらおにぎりをにぎり、旬の食材やおにぎりを共に食べ、五感で感じ、今の自分から湧き上がってくることや想いを話すというシンプルなワークショップです。
今回の旬な食材は、うめちゃんがおじいちゃんの住む埼玉から調達した「里芋」「ほうれん草」「すだち」や、
えがちゃん提供の「しょうが」「大根」でした。
「シニアおにぎりスト」まっつーのお手本を参考に、ワイワイガヤガヤ楽しくみんなで握り、気持ちも、おなかも大満足なワークショップになりました。
(6)「自然・人・自分を感じるボディワーク」Ayumi さん&コージ兄
午前中の雨から、午後には青空になりました。
まずは室内で、お互いの名前(first name)を呼び合いながらチェックイン。
ゆっくりとした呼吸とともに、簡単なボディワークをしながら自分のからだに挨拶。
その後は、校庭へ出て、自然を感じる時間を持ちました。
みなさん、それぞれに「感じる」時間を過ごしていただきました。
室内に戻ると、自然と輪になり、床に腰掛け、時間を味わいながらの一言チェックアウト。
最後は、みんなで伸びをして終了となりました。
(7)「『仕事知』展開に向けた第一歩 」まこどん
まこどんは、働く経験から獲得されていく知を『仕事知』と呼んでいます。人は働き続けるうちに、自分も気づかないほどの膨大な『仕事知』を積み上げているのですが、そこには、とてつもない時間とエネルギーが使われているものです。だからこそ未来に向けて『仕事知』を有効活用し、世の為・人の為に役立てたいと思うのは、多くの働く方々の自然な願望ではないでしょうか。
しかしながら、つかみどころが難しいのが『仕事知』でもあります。今回は『仕事知』の姿を可視化する試みとして、ワークシートに今まで自分が経験してきた仕事を書き出すことから始めました。
その後、そのワークシートを元にペアで「相互インタビュー」を行いました。インタビューを進めるごとに「自分が大切にしてきたことは何か?」や「今後、生かしたいと思っている『仕事知』は何か?」に関する気づきも深くなっていったようです。そして、チームで「噂話ワーク」を行い、自分の思いを外の人が見たらどう思われるのか?というアプローチも取り入れ、参加された方々もワークと対話を通じ、自身の『仕事知』のコアが何なのかを感じ取れたようでした。
参加した方々からは、「ギュッと凝縮されたワークだったので、もう一度自分でも振り返ってみたい」といった声が複数聞かれ、気づきの多いワークショップとなったようです。
(8)「自分を知り、周りの人を知る」のーず
「自分を知り、周りの人を知る」ために、あらかじめ144問の質問表に回答して「ルミナスパークプロファイル」のレポートを作成しています。「ルミナスパーク」とは、イギリスで開発された最新の計測ツールであり、参加者一人ひとりの嗜好及び行動特性を計測し、可視化するツールです。
周りの人の理解の前に、まずは自分自身を理解すること。のーずのファシリテーションに導かれつつ、自分のもつ嗜好や行動特性を洞察し、あらためて自分の強みや特性に気づくきっかけを得た参加者の方々でした。
(9)「こんな時は楽しめないよ!という場面でもパワーが湧く楽しミすと®アートをつくろう☆」ばばちゃん
今回のフォーラムは、ばばちゃんのファシリテーターとしてのデビュー。ばばちゃんは会社員のかたわら「楽しミすとふぁくとりー」を立ち上げ活動をしています。病気で杖歩行から車椅子生活になり、心のままに受け入れて行動を続けていったら いつのまにか楽しいことになっていた という実体験を エネルギーにしてこの活動を続けています。
ありのままの自分が輝いて、 そしてそんな人達が集まってもっと輝く。いつでも どこでも ヒラメキ 楽しく切り開いていく「楽しミすと」が自然に増える企画を届けたいというのが楽しミすとふぁくとりーの活動です。そして 今回の最高の居場所フォーラムで 初めての企画として登場したのが「楽しミすと®アートをつくろう」。テーマは「宇宙」。ばばちゃんも含めて未知の世界。個性あふれる参加者の皆様と一緒に、ドキドキ、わくわくな体験となりました。
思いがけない出来事に遭遇したとき、日々の生活で 目に見えないストレスや 不安を感じたとき、どんなときでも 心地よいエネルギーを呼び起こしてくれるアートを創って持ち帰ります。参加された方々は、互いにつながり、五感を使い、自由に描いたり、貼付けたりして一緒に作品を創りあげました。面白かったのは、ひとつの作品をつくったあと 目隠しして次の作品を創ったこと。楽しさの原点に触れつつ、私たちは大きい自然の一部でつながってる安心感も感じました。
できあがったアートは今の自分にしかできない作品であり、みんなの想いがこもった作品でもあります。最後にその一部を持ち帰り、手作りの額縁にいれたり、ブックカバーにしたり、日常でどこでもいつでも「楽しミすと」になれるスイッチになってくれるはずです。今回はばばちゃん手作りの「楽しミすとらっぷ」もお土産にいただき、いままでにないワークショップとなったようです。
(10)「愛のワークショップ」やじー&いいまり
今回のフォーラムの最後の時間割になった愛のワークショップ。ばばちゃんアート?ワーク後の教室は、楽しい雰囲気とほんのり絵の具のにおい。そして、ほとんどの方はAyumiちゃんのエンボディワークを終えて、体がゆるゆる~♪という状態。部屋の雰囲気も、参加者の雰囲気もばっちり整った中、前の時間のファシリテーター達に感謝しながらスタートしました。
自己紹介とアイスブレイクを兼ねて、自分の好きなもの・好きなことを体で表現。好きなアーティスト、動物、趣味の時間・・・など思い思いに自身の好きなことを体で表現していきます。
そして、中心のワークに入ります。大きな木の絵を用意し、みんなが見える位置に貼っておきます。そして、最近もらった愛、たとえば人にしてもらってうれしかったなという出来事を、葉っぱの形の付箋に書き、まずはペアでシェアタイム。それはどんなことだったのか、なぜ愛だと感じたのかを数分話した後、木の枝に貼っていきました。
人数が8人ということもあり、木の絵の前に集まり、気になる言葉をあげて、それを書いた人にそのストーリーを話してもらうことで全体にもシェアしてもらいました。鳥のさえずりを聞きながら、深呼吸してリラックス。
今度は、人生において忘れられない愛について、りんごの形の付箋に書き出します。またペアで話した後、木の絵に貼り付けてもらいました。最初は枝だけだった木が、色とりどりの葉をつけ、実をつけ・・温かい愛がつづられた言葉でいっぱいになります。一人一人が持つ愛のストーリーのバリエーションの多さ・・それぞれに気になる言葉、響く体験があり、それを書いた人に質問することで、意外なストーリーがそこから出てくることも。参加者みんなで引き出しあったような時間でした。
一つとして同じストーリーはなく、すべてのストーリーが愛おしく、そして、わたしたちは生かされているということを感じることができる場でした。
時間があれば、そんな気持ちを次に誰に伝えたいか、浮かんだ人に今伝えたいメッセージを手紙にしてもらおうと考えていました。小鳥のメモに託す“ラブレター”。時間が来てしまったので、希望者に小鳥メモを配ってタイムアウト。それぞれが胸にある思いを大事に抱きしめる感覚を持ち帰り、それを次にバトンしたいと思ってくださる機会になることを願って。
・・・そして、チェックアウトでは今の気持ちを共有。ゆったりとして、安心感のある雰囲気に包まれて、なんか、ほろりと泣けてきちゃうような、愛おしい時間が流れたひと時でした。
(11)「遊びながらリーダーシップと思いやりが体感できるボードゲームACHIEVUS」トミー&でらみ
ACHIEVUSとは、成功の哲学(ナポレオンヒル)を元にそれを体感できるように作ったゲームであり学習ツールでもあります。今回、ACHIEVUS初体験の方がほとんどでした。しかし、実際にやることはカードゲームそのものであり、ゲームをやってるうちに参加者の方々も、ゲームの意味がわかり楽しんで自然と打ち解けていったようです。
内容としては、カードを配って、あるルールの下にコールしたりギブ&テイクしながら、17種類のカードを揃えることがゴールという結構シンプルなものです。でもその過程で、メンバーを信用したり、自分が出来ることを明確化していったり、協力し合ってチームとしての目標を達成するようになっていくのです。
ゲームなのに、個人の勝ち負けだけからチームとして勝つことに変わる不思議なゲームであり、最近はチームビルディングのツールとして企業で使用する例が増えているそうです。参加者の方々も、ゲーム終了時には自然とチームとしての一体感を感じられていました。
自然なスキンシップ→バトンタッチやニックネームを呼ぶことで距離を縮める。リアルな組織やチームに応じてテーマを決めて実施できる。仮説を確かめられる、いい状態も悪い状態も体感できる。といった効果を体感できるワークショップとなったようです。
(12)「最高の居場所づくりは、家族関係から。」かつ&まき
今回のワークショップは組織の人間関係をきっかけに家族関係を見つめ直すものでした。そのために、ORSC®(システムコーチング)の概念やツール(体感ワーク等)を中心に、ファミリーコンステレーションなどの考え方なども合わせ、組織と家族の人間関係と向き合い、そこにある願いや不安、愛に目を向け、よりよい関係性を探るといったアプローチを行いました。
まずはイントロとして、「あなたにとって家族とは?」(色、一言、ポーズで表すと?)をみんぐるで行いました。
次に、組織と家族の人間関係に関して、「どんな見えない要素が人間関係に影響を与えているか?」に関する対話を行い、「無言で年齢順(オーダー)に並ぶ(見えない影響を感じる)」といったワークを行いました。その上で、「人間関係に影響を与えているもの(内的役割、ゴースト、タイムスピリット)」に関する解説を行っていただき、「組織と家族の人間関係(現状と理想)を視覚化するワークを行いました。このことによって、組織と家族の人間関係の関連、傾向やそこにある願いを見ることができたようです。
そして、家族の中にあるいろいろな願いを知るために、「家族って本当に必要か?」をテーマにディープデモクラシープロセスのワークを行いました。これは、様々な役割(パパ、ママ、赤ちゃん、養子の爺さん、ご先祖様・・・)を演じてもらい、その声や願いをみんなで共有するといったものです。
最後のチェックアウトでは、自分、家族へのメッセージをカードに記載して全体共有しました。参加された方からは、「早く家族に会いたくなった」といった声もあり、家族と自分の関係性に関して様々な気づきが得られたワークショップになったようです。
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また、フォーラムが終了したあと、わくわくビレッジの一階にて有志による懇親会も実施しました。20名を越える方々に参加いただき、各ワークショップの感想や気づきを、ファシリテーター/参加者の枠を超えて交歓することができました。