第123回最高の居場所ライブ(5/18)
シリーズ企画「知恵」
~参加者を交えて 素敵な生き方を考える~
ゲスト:大久保 寛司さん・本間 正人さん


第123回NPO法人はたらく場研究所-最高の居場所ライブ
シリーズ企画「知恵」~参加者を交えて 素敵な生き方を考える~
ゲスト:大久保 寛司さん・本間 正人さん(プロフィールは文末に記載)

・日時:2019年5月18日(土)13:00~17:00
・会場:TKPガーデンシティ御茶ノ水
・参加人数:84名
・企画チーム:浦田 尚津美、久保 青子、進藤 明美(記録)、染谷 歓奈(記録)
       路川 順規(撮影)、中島 崇学

■ 今回のライブについて
「人生100年時代」を生きていく上で大切にしたいことや本質について、対話を通じて学びを深めることを目的に、3カ月連続のシリーズ企画として開催しました。
5月のテーマは、「知恵」~参加者を交えて 素敵な生き方を考える。

このライブは、大久保寛司さんと本間正人さんが登壇されたイベント(エッセンシャル・ マネジメント・スクール(EMS)主催)に、企画チームの浦田さんが参加したことをきっかけに、本間さんより提案いただき、生まれました。
下記、当日の様子をご参加の皆さまのご感想と共にご紹介します。

■ オープニング
当NPO法人代表理事の中島崇学さん(とうりょう)、浦田尚津美さん(たなちゃん)より、NPOの概要やビジョン・バリュー、グランドルールをご紹介。
大久保さんより「掛け合いながら進めるのは毎回ですか?こういうオープニングは初めて」とのコメントもあり、笑いあふれる和やかなオープニングとなりました。

■ライブ本編
ゲストのお二人が大切にされているのは、まさに「ライブ」であること。
当日は下記の3つのパートとなりました。
第1部:「知恵」「素敵な生き方」をテーマに参加者との対話
第2部:「最高の居場所」をテーマに参加者との対話
第3部:大久保 寛司さん&本間 正人さんの対談

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● 第1部:「知恵」「素敵な生き方」をテーマに参加者との対話

※ 本間正人さんによる問いその1~「知恵」と聞いて思いつく色は?

各自が思い描いた色について4~5人で対話。
参加者から挙がった色は、黒や青が多め。
その他にも金、透明、水色、虹色、紺、水(みず)、太陽の色、アイボリー、と数多くの色が挙がりました。

【本間さんより】言語化することで自分の知を明確にする(表出させる)ことができる。

※ 問いその2~「知恵」のある人で思いつく人は?(対話)

コメントされた方のグループ内で、理由を聞いて学びが深まったことが分かり、
「組織活性化に大切なのは、お互いにいかに助け合えるか」とのメッセージがありました。

※問いその3~素敵な生き方をしている人は?(対話)

【挙がった人物など(敬称略)】
安田未知子(沖縄のマザーテレサ、『引き受ける生き方』WAVE出版)、自分自身、ミッキーマウス、様々な制約の中で挑戦し続ける人達(薬の開発)、田村記子(花の知恵、フラワーセラピー協会設立者)、平田太一(沖縄の演出家)、ヒュー・ヘフナー(『PLAYBOY』創設者)、清水克衛(ベストセラーを置かない本屋「読書のすすめ」)、「ありがとう」だけを話す祖母、小澤征爾、リー・アン・テューイ(映画「しあわせの隠れ場所」のヒロイン)、糸井重里、子ども食堂を経営している知人、木村方子(キムタクのお母様)、ワンピースのルフィ、若宮正子(84歳のiphoneアプリ開発者、『独学のススメ』)、イチロー、リー・クアンユー、サッチャーなど。

【参加者との対話とゲストからのキーワード】
・挙げられた人を見て、自分はそのように生きていけるか?という問いが新たに生まれる。
・生き様を参考に、エッセンスを吸収する。
・周囲や他人の責任ではなく、自分を主人公にして生きる。
・場数を踏み、主語を「相手」から「自分」へ。「自分」を主語でどう生きていくのか、考えてみる。

●第2部:「最高の居場所」をテーマに参加者との対話
大久保さんの「最高の居場所とは?」の投げかけから、当NPO法人代表のとうりょうとのやりとりに。

~「最高の居場所」コミュニティが生まれたきっかけ~
とうりょうが所属していた社内での風土改革の取り組みを本間さんと共著で出版することに。
  『私が会社を変えるんですか?~AIの発想で企業活力を引き出したリアルストーリー』
   (日本能率協会マネジメントセンター、2007年12月発行)
その出版記念イベントをきっかけに、最初はメーリングリストの集まりからリアルな場へと発展し、
「最高の居場所」コミュニティが誕生。
(2008年7月第1回ライブ開催、2012年11月NPO法人化)。

【対話とゲストからのキーワード】~とうりょうの風土改革の振り返りと共に~
・輝きは二つ、ギラギラ(濁る)とキラキラ。
最初は「俺が変えていく」という姿勢でギラギラだったのが、キラキラに変化していった。
・場づくりの極意は、参加者から引き出すことだと考えていたが、「オレが引き出すんだ」ではなく、場に委ねることで、ボコボコと引き出されていくもの。自然に任せる、自分を引っ込める。場に任せると、自然に出てくる。
・質疑応答を大切にする。自分が話さない時間が長いほどいい。教えないことが、後の実行につながることが多い。もっと悩んでいい。悩みを深める。

・正解を言ったところで、正しいとは限らない。信頼と尊敬があって、初めて相手に伝わる。正しいければ、人は聞くとは限らない。その人のあり方に追いついていなかったり、相手との信頼関係がない状態だったりすると、「正しい言葉」は溝を作ることもある。

・風土は、価値観と想いでできている。
・改革とは、「変わりたくなる想い」とその状況や仕組みをどうつくるか。
・ぶつかることで成長につながる。答えは自分で見つけてほしい。

・知識は外から、知恵は中から生まれるもの。
知識を深めて、内側から出てくるのが知恵。知恵は己の中の人間性、人格を高める。
知恵とは「その人」が言うことで価値が生まれる属人的なもの。知識は標準的、普遍的なもの。
知恵は、自分の中から磨いて出てくるようにするもの。押し付けたら輝きを失ってしまうもの。

・相手の言動には、それなりに「そうする理由」がある。
・相手を理解し、心から向き合うこと。人は理解されたと感じたときに変わる。

●問いその4~「最高の居場所」とは? 居心地のよい居場所とは、どういうものが満たされているのか?(対話)

【参加者の対話より】
・本音で大事なことを語り合える場。(⇔建前でどうでもいいことを話す。)
・その人そのもの(存在)が承認される場。(⇔肩書きや強みで承認される。)
・一人一人が自然体でいられる場。(⇔無理をする)
・相互理解。認めている、認めてくれている、信頼、愛情。
・受け入れている、安心感のある場。(⇔否定される)
 EMS(大久保さん学長、本間さん副学長)で大切にしているのは「肯定ファースト」。

・違いを理解して認め合う場
→【本間さん】ハーモニーのお話。ハーモニーは、違いを前提にしている。

・自分がいることで違いができる(存在価値があることを見出せる)場(⇔自分がいてもいなくても変わらない。)
・お互いに関心を持つ。(愛の対義語は無関心)

・触発を与えたり、受けたりする場。
→【本間さん】四字熟語で表すと「切磋琢磨」。
学びは内側にある。玄徳と明徳という言葉がある。玄徳は内側にあってまだ表出されていないもの。
玄徳が引き出されて明徳になる。引き出されるはdevelop、見えるものを隠すのがenvelope。

・学びがある場。
→【本間さん】「最高の居場所」が123回続くのは、学びがあるから。

(本間さんにとっての最高の居場所は?)学び合いの場。自分なりに輝ける場。
【大久保さん】居心地の悪い場所は、学べる機会である。

●第3部:大久保寛司さん&本間正人さんの対談

・(大久保さん)93歳の人間国宝の発言「いまだに満足できる作品ができず、恥ずかしい」
長く生きれば生きるほど、経験を積めば積むほど、知識を得れば得るほど、わからないことが増えていく。そこから、自己との対話を通して、自分を振り返り、行動と生き方に変化を生み出す。
・人間は学び続ける存在。

・居場所とは、安心してそこにいることができる場所。
・吠える犬が吠えない→犬に伝わるあり方。自分の中にあるものを相手が感じる。犬や、子供には感じ取るセンサーがある。
・本間さんより「意識場」についての仮説の紹介。相手の話を深く聞いていると、相手が次に何を言うか、分かる瞬間がある。
・「知識」の世界から、「知恵」の世界へ。人間を磨き、人間性を高めて、自分の中にあるものをどこまで発掘できるか?

大久保さんと本間さんの絶妙な掛け合いから、終始笑いが絶えない時間。
お二人とご参加の皆さまから、たくさんの知恵があふれ出たライブとなりました。

● 皆さまのご感想「心に響いたこと」~アンケートの一部をご紹介します。
  ※掲載の許可をいただいております。

・自分を主人公にして生きる。相手にはそれなりに理由がある。相手は理解されないと変わらない。(アイドルさん)
・主語は他人か?自分か?学びを問うていきます。(Y.Oさん)
・「知恵」は誰が言うかで変わる。リーダーがいないほうが、組織が活性化することも多い。
邪魔なリーダーになっていないか自省します。これからも素敵な学び合いの場を創ってください!(H.Sさん)
・輝きは2つある。キラキラとギラギラ。自分の人生を生きる。深い学びと楽しい時間をありがとうございます。(海野巨人さん)
・正しい事を言っても人は動かない、動かない理由がある。学びの大切さを共有できて良かったです。(T.Kさん)
・自分が正しいと思い押しつけてもその人は受け入れない。受け入れてもらえる人間に自分自身がなる。(甲野文彦さん)
・相手を理解しない「正しい言葉」には何の力もない。自己と対話することで変わることができる。
自分に指を指す。相手ではなく自分が全てなのだ。
相手の話をじっくり聞いてみる。聞けなくても心を寄り添わせる。
先生の言葉は心に響き、納得することがたくさん、自分が変わらないと意味がないと強く感じました。(ミキティさん)
・正しい事を正しい言葉で伝えても受け取ってもらえない。変われ、変えよう、を手放すことを実践したいです。(前田恵子さん)
・信頼が無ければ正しい言葉は溝を作るだけ。マネジメントの本質、道理を学ぶ、実践する。伝えて学ぶ。(今野浩一さん)
・知恵は中にある。自分が教えず、双方向でする。自分の行動がどう変わるのか検証していきたいです。(井渕奈緒美さん)
・学び合うことが大事。「知らない」が深める。誰から学ぶか!が大切と実感しました。サイコーでした!(鈴木安子さん)
・教えないこと。傾聴、承認、問いかけ。否定的に使う言葉も良い言葉に置き換える。(竹内明仁さん)
・いいと思ったらすぐに真似る。自分の人生の主語度を上げる。知恵は内から。
壁にぶちあたらないとわからない。アドバイスすることがいいとは限らない。
追いかけたい背中を見せていただけたこと、ありがとうございます。(律子さん)
・相手にはそれをするそれなりの理由がある。人は理解された時に変わる。
このライブが居心地のよい居場所を作っていました。(伊藤向洋さん)
・人は理解されたときに変わる。人に関心をもつと、居心地のいい場になる。(増本眞美さん)
・「正しい言葉に力はない」「相手にはそうする理由がそれなりにある」「人は理解された時に変わる」
まずは自らの行動を見つめ直したいと思います。(だいさん)
・自己との対話が一番の変化につながること。
いかに自己対話につながるかを自分のあり方から目標とすると理解しました。(H.Mさん)
・人を変えてはいけないが、人は変われる。自分はどうありたいのか、問いが残りました。(みやちゃん)
・相手をコントロールしようとすることを手放す。自己との対話の場を増やす。(加藤雄一さん)
・自己変容は自己との対話で変わる。知識を求めるのではなく、人と向き合う知恵を見出したい。
これは令和の寺子屋ですね。(小林三輝也さん)
・なぜ寛司さんには、マスターも話しかけ、動物たちも違う行動をとるのか?その本質は何か?という問い。(松岡克政さん)
・ライブ感あふれるその日その時その場だけのトーク。いい居場所だった。
難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白くの典型、スバラシイ!(村上信夫さん)
・お二人の相互の深い信頼感に基づく掛け合いと、リズム感ある展開の中に、ぐぐっと凄く深まる話が最高の居場所になりました。
ますますたくさんの人をインスパイアしていただきたいと感じました。(K.Tさん)
・お二人の波動のケミストリーにより、今まで感じたことのない意識場を感じました。
私が降りてきた感覚は「笑いを交え知恵を深め光明を灯し心眼を開く」というものです。ありがとうございました。(上田比呂志さん)
・10人がいれば、10人それぞれの、その人なりの「あり方」を元にした想いと言葉があるのだなと感じました。
営業の世界ではよく「主導権」を握るという言葉がありますが、これはある意味、相手のあり方を承認しない考えだと気が付きました。
お互いが価値観を承認すれば、自分が当初考えていたシナリオの何百倍も素晴らしい結果を生み出す事も可能なのだなと感じました。
また、いつも大久保寛司さんから「人にはそうするなりの理由がある」と教わっておりますが、日々の仕事に忙殺をされ、つい忘れてしまう事があります。
この事実から、「人にはそうするなりの理由がある。という事を忘れてしまう事がある」と、更に一歩深く“理解”をしてみるとスッキリしました。(福島靖さん)

※ ゲストの本間正人さん、ご参加の村上信夫さん、木村裕理さんがご自身のFacebookやブログで当日の様子をアップくださっていますので、ご紹介します。
・本間 正人さん
(https://www.facebook.com/masato.homma/posts/10213887430852318/)
・村上 信夫さん
ことばの種まき「村上信夫オフィシャルブログ」
(https://ameblo.jp/nobu630/entry-12462251153.html)
・木村 裕理さん
(https://www.facebook.com/100003401042098/posts/2000366646753351/)
他にもたくさんの方からご感想をいただきました。ありがとうございました。

改めて、ゲストの大久保寛司さん、本間正人さん、
開催にあたりご尽力いただいたエッセンシャル・ マネジメント・スクール(EMS)の原口佳典さんはじめ、サポートいただいた皆様に御礼申し上げます。

■ ゲスト・プロフィール
<大久保 寛司さん>
「人と経営研究所」所長。エッセンシャル・マネジメント・スクール(EMS)学長。
1973年、日本IBM入社、92年、業務改革推進本部、94年、CS担当、お客様重視の仕組み作りと意識改革に専念。
2000年4月、退職し「人と経営研究所」を設立、所長に就任。人と経営のあるべき姿を探求。
分かりやすい相手の立場に立った説明により、指導・講演依頼が多数寄せられている。
大企業・中小企業の幹部対象のリーダーシップ研修、風土改革は高い評価を得ている。
とくに気付きを引き出す合宿研修は、参加する人の意識を大きく変え、実施した企業・自治体等から絶賛されている。
95年設立の「日本経営品質賞」の創設時から関与し、推進委員として普及に貢献、03年度まで「アセスメント基準研究会」の責任者としても活躍。
主要著書:
『考えてみる』文屋
『月曜日の朝からやるきになる働き方』かんき出版
『人と企業の真の価値を高めるヒント』中公文庫

<本間 正人さん>
京都造形芸術大学副学長、NPO法人学習学協会代表理事。
エッセンシャル・マネジメント・スクール(EMS)副学長。
「教育学」を超える「学習学」を提唱し、「研修講師塾」を主宰。
数多くの企業・自治体などで管理職研修を担当している。
東京大学文学部社会学科卒業、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)。
ミネソタ州政府貿易局、松下政経塾研究部門責任者、NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」の講師などを歴任。
コーチングやポジティブ組織開発、ほめ言葉などの著書76冊(2019年5月現在)。
現在、NPO法人ハロードリーム実行委員会理事、一般社団法人大学イノベーション研究所代表理事、
アカデミックコーチング学会会長、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事などをつとめる。
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