日時:2017年2月12日(日)13:00~17:00 (受付開始 12:40)
会場:目黒中小企業センター 5階 会議室
ゲスト:松下信武さん(ゾム 代表)
参加人数:15名
運営事務局:あおこ、えり、しん、かんな
【オープニング byとうりょうとえりさん】
えりさんの朗らかで穏やかな声から場がスタートする
色々な立場の人が集まって組織を良くしていくことを考えていく
【プレゼンタ紹介 byとうりょう】
今回のライブテーマ「情報ハブ」
まず思ったことは情報ハブになるといいことあるの?
松下さんから「そんなのない」と言われる
だが、これからの日本企業に必要となることを学んでいきましょう。
【松下さん挨拶】
「情報ハブ」を教えてもらったのは、ある企業のナンバー2
これから組織という概念が変わっていくのかもしれない
(情報ハブは)単なる根回し屋ではいけない
日本の優位性がゆらいでいる。
合意形成に時間がかかる→それを短縮して行う必要あり。そのためには走り回って交錯する情報を整理し、伝えていく人が必要。これが「情報ハブ」。
エクゼティブコーチ、スポーツコーチをしていく中で情報ハブの存在に気づくようになった
【DVD鑑賞】
映画好きの松下さんが情報ハブを理解できる作品をセレクト
『頭上の敵機』 監督ヘンリー・キング 主演グレゴリー・ペック
ポイントとなるシーンを見ながら、松下さんの解説
(解説抜粋)
・目標達成には規律が必要でその為には基盤に信頼関係がある
・意見を言えるようになるのに時間がかかる(信頼関係できるのに時間がかかる)
・依頼人を信じて戦う、キーは私心をいかに消していくか?
・情報ハブは諦めない
【ワーク】
ワークシートに自分の「情報ハブ」の定義を書いてもらう
3〜4人でグループワーク(各自の定義をシェア)
【松下さんの「情報ハブ」の定義】
・「組織内にあって組織内のキーパーソンと信頼関係を構築し有効な情報を収拾整理し、
組織内の上下左右の部署のキーパーソンに必要な情報を伝えることで組織活動をより
有効にする働きをする人」
・「有効」の定義として「組織目標の達成に貢献し。組織活動のスピードをあげ かつ
無駄な組織活動を限りなくゼロにする」
参加者とのやり取りの中で
・無私の心ではたらく人
・外部の人、関係者をつなげる役目
・核になる人、暴れ出す者をまとめてくれる
・下から上がってくる努力の人
・日本では、藤堂高虎、海外では、タレイランなど
【全体シェア】
全体で円座になって定義をシェアする
参加者からたくさんの質問が飛び交い、松下さんは一つずつ丁寧に回答する
まるで仙人を囲んだ対話であった
【松下さんの名言ピックアップ】
・核になる人(情報ハブ)は、実は二軍の人が多い。「オレ達でチームに貢献しよう」というという人がいるチームは強い。
・(情報ハブは)単なる政治屋ではいけない
・『トップは孤独の中で意思決定をしていく存在』
・「見たくないものを見たときどうするかが大切、人間は自分が不安な状態におかれると防衛機制が働き、周囲を都合のよい風に観てしまうので、パフォーマンスが
下がる」
・「いまの組織には失敗を許容する文化がないので若い人が育つしくみがない。相談する
習慣があれば質問力も磨かれ成長する。屈せずに質問し、相談する力を育てる文化を
つくる」
・参謀と番頭と情報ハブのちがい
参謀と情報ハブ:泥を被らないのが参謀、泥を被るのが情報ハブ、
番頭と情報ハブ:先代からの遺産を守るだけが番頭、志を持って未来を描くのが情報ハブ
・企業の中の見えないルール・・・スルー力(スルーりょく)。何かを伝えるにはタイミングがある。一旦頭に入れておき(その時はスルーし)、タイミングが来たら言う。
【実話に基づいたケーススタディ】
テーマは「新任経営トップのもとでの情報ハブ」
4つのグループに分かれ、以下のワーク。
1:ポストイットにどのようなことをすれば、社内改革が推進できるかを記入
2:ポストイットで共通するものを集め、グルーピング
3:グループ化したものを優先順位に並べてみる
4:グループ間で意見交換
5:グループでまとめたものに名前をつけて、発表
4つのグループがそれぞれ異なる視点で、まとめる
【状況を俯瞰してまとめる】
名前:クアトロフォルマッジョ
・4種類のチーズを掛け合わせる
社長のチーズが癖がある
→釜に入れる
ピザにするのが情報ハブの役割
【時系列でまとめる】
名前:ザ・リアル
・上司の意図を伝える
・社員の状況を知る
・仕事を分解し、スピードアップ
【施策にスポットライトを当ててまとめる】
名前:えこばち
①関係性の構築
チームビルディング
②CEOの言うことを分かりやすく
現場のことを分かりやすく
→施策を作る
・順番が大事
【やり取りする情報の観点でまとめる】
名前:温泉ダイアログ
・CEOの思いを伝える
・事実確認
・社員の声を届ける対話
・愛情を持つ戦略
・繋がり
では、想いを聞きたくない正当な理由とは?
現状にnotをつけて正当な理由を考え抜く
例:和を大事にするリーダーが変革できない→「正当な理由は?」動かない(not)ことによって社内の安穏が保たれる→「保ちながら改革するにはどうしたらよいか?」を考える
変革の際は、誰かにとって最悪の居場所になる覚悟もしておくこと。
ここで、参加者からの質問を受け付ける
【松下さんの名言ピックアップ】
・「私」のためではなく「全体」のためにやれるか → 「私心を捨てる」
・(周囲に情報ハブがいないのなら、自分が)情報ハブになればいい!
・手柄は自分で取らない
・情報ハブをサポートする
・「志が重要」
・精神科医の名言「我々は生物(アナログ)、言葉はデジタル、これは生涯背負った重荷、
解決策は人間としての課題であり、それが覚悟。」
『治療のための精神分析ノート』 著 神田橋 條治
言葉がデジタルだからこそ伝えきれない部分がある。「1回で伝わる」は幻想。多面的に頻度を重ねて伝える必要がある。
=====参加者のみなさまの感想(アンケートより抜粋)=====
「正当な理由を考える」言い訳と思いがちだけどそこをあえてみていくことの重要性を感じました。見たくないものを見る覚悟が必要であるということ(やじーさん)
多すぎて・・・最後の「アナログ=生命/デジタル=情報」は響きました(上野羊一さん)
「私心をなくす」(もめさん)
信頼関係が大切。伝えることはデジタル。何度も伝えることが必要は思うところがあり、痛感した。(あきさん)
情報ハブの定義を知り、また考えることができた(タカさん)
====ゲストプロフィール====
松下信武さん プロフィール詳細
大阪府出身。京都大学経済学部卒業、三洋化成工業入社。学習塾経営、ベルシステム24総合研究所所長を経て、ゾム株式会社代表取締役社長。日本電産サンキョースケート部のメンタルコーチを担当し、バンクーバーオリンピックでの長島圭一郎選手の銀メダル、加藤条治選手の銅メダル獲得に貢献。日本スケート連盟強化スタッフ。山形中央高校、長野県丸子修学館高校、横浜隼人高校野球部メンタルコーチ。 専攻はEQを中心とした行動心理学。得意分野はエグゼクティブコーチング、スポーツ選手を対象としたメンタルコーチング、企業の人材育成体系の構築と運営、口コミマーケティングの仕組みづくり。著書に『凡人が一流になる「ねたみ力』『すごい上司 なぜ人は言われたこともできないのか 部下が自ら動き出す心理学(共著)』『エグゼクティブ・コーチング-社長を鍛え、会社を強くする「心の軍師」(共著)』『EQコーチングのスキル-感情と行動に働きかける(共著)』など。
以上、2月ライブ事務局は、あおこ(久保青子)、えり(久保田恵理)、しん(進藤明美)、かんなでした。